緊急情報
ここから本文です。
更新日:2026年3月24日
公益に関する重要な事項について、議会としての意思を意見としてまとめ、国などの関係行政庁に対して提出するのが意見書です。
本市の場合、市民や各会派等から提出された意見書案を協議し、全議員の賛成が得られるよう、議会運営委員会において調整し、賛同が得られた場合は議会運営委員会委員の発議で提案します。ただし、出席委員の4分3以上の賛成が得られたものについては、賛成委員の発議で提案できるものとしています。その後、本会議において採決します。
令和8年2月定例会では、以下の7件の意見書を可決しました。
わが国の中山間地域においては、都市部を上回るスピードで人口減少及び高齢化が進行しており、いわゆる「2040年問題」が既に現実の課題として顕在化している。
本市の中山間地域全体の人口推移を見ると、2015年と2024年との比較で人口は20.4%の減少、高齢化率は7.2ポイント増加し47.4%と高齢化が大きく進行していることに加え、過疎化も進行し、公共交通機関は廃止や減便となり、生活のための移動手段の確保が困難となっている。
さらに、地域の医療を支える医師の高齢化や後継者不在、またそれに伴う医療機関の減少など医療体制の確保も大きな課題となっており、本市では2024年度末に「中山間地域の医療体制確保に関する基本方針」を策定し、少ないマンパワーで効率的かつ効果的に医療を維持・確保していく取組を進めているところである。
国は「地域包括ケアシステム」の深化・推進を掲げ、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを最後まで続けることができる体制整備を進めているが、中山間地域のように地理的な制約がある地域や医療・介護資源が乏しい地域においては、現行の制度運用だけでは限界を迎えつつある。
よって、国においては、中山間地域の実情を十分に鑑み、誰もが安心して老後を迎えられる社会を実現するため、下記事項について強力に推進するよう強く要望する。
1,移動距離が長く、効率的なサービス提供が困難な地域における訪問診療・訪問看護・訪問介護等の加算を拡充し、事業所の安定経営を支援すること。
2,遠隔でのオンライン診療や機動的な医療Maas車両の導入・運用のための必要な環境の整備と財政支援をすること。
3,限られた資源を有効活用するため、医療・介護・障害福祉の枠組みを超えた共生型サービスや、1か所で複数の機能を担う多機能型拠点の設置を容易にする規制緩和を推進し、中山間地域独自の運営モデルを支援すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和8年3月23日
衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、内閣官房長官、財務大臣、厚生労働大臣
介護保険制度は、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるための基盤であり、本市を含む全国の自治体において、その重要性は一層高まっている。
しかし、急速な高齢化に伴う要介護認定者の増加、介護人材の不足、事業所の休止・廃止、介護給付費の増大など、制度の持続可能性を揺るがす課題が顕在化している。
厚生労働省の令和6年度「介護報酬改定の効果検証及び調査研究」では、介護人材の確保が極めて困難であることや事業所の休止・廃止が増加している実態が示されており、制度の持続可能性を著しく損なうことが懸念されている。加えて、2024年に報道機関が東海4県の自治体を対象に実施した調査では、半数以上が人材確保の困難さを訴え、中山間地域ではサービス空白地の拡大が報じられている。
本市では、第9期介護保険事業計画に基づき、2023年度末時点で約51億8000万円の介護給付費準備基金のうち、30億円を2024年度から2026年度に取り崩すことで、保険料の上昇を一時的に抑制している。しかし、これは短期的措置に過ぎず、2040年まで続くとされる人材不足や財政逼迫への対応には限界がある。
よって、国においては、下記の事項について措置するよう強く要望する。
1,財政基盤の強化と制度安定化
介護保険制度の持続可能性を確保するため、国庫負担割合を引き上げるとともに、介護給付費財政安定化基金を拡充し、交付・貸付条件を緩和して、市町村基金と併用できる仕組みを整備すること。
2,介護人材と事業所の確保・維持
処遇改善加算のさらなる拡充に加え、地域特性に応じた人材確保支援(奨学金・家賃補助等)を講じるとともに、小規模事業所の経営支援や存続支援等の体制整備を推進すること。
3,ICTの活用と地域包括ケアの推進
介護従事者の業務負担を軽減し、利用者へのサービス水準を高めるために、ICTの導入支援を一層強化するとともに、地域の実情に即した包括ケアのモデルを開発・普及し、持続可能な介護提供体制を構築すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和7年12月17日
衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、内閣官房長官、財務大臣、厚生労働大臣、経済産業大臣
日本で生活する外国籍住民は、2025年6月時点で395万人を超え、過去最高となり、外国人労働者も2025年10月時点で257万人を超えるなど、外国籍住民は日本の産業や地域経済にとっては欠かせない存在となっている。しかし現在、一部に国籍や民族を理由とする差別的な行為が見受けられるなど、日本における多文化共生のための社会基盤整備は十分とは言えない。
これを踏まえ政府は、「外国人の受入れ・秩序ある共生社会実現に関する関係閣僚会議」を設置し、検討を開始した。本年1月には有識者会議から意見書が提出され、「社会規範を理解し地域産業を支える外国籍住民を正当に評価し、国籍を問わず互いに尊重し合うことと同時に、社会規範を逸脱する行為には公正かつ厳正に対処していく」よう提言されたところであり、今後も外国籍住民の増加が見込まれる中、善良な外国籍住民に人権侵害が及ばぬよう早急に改善されなければならない。
本市では、排外主義や差別的言動とは一線を画した「多文化共生都市ビジョン」に基づき、多様な人材が共に活躍できるまちづくりを推進していく考えを示しているが、本来このような考えは国が率先して示していくべきものである。
以上を踏まえ、国においては、善良な外国籍住民が日常の社会生活及び職業生活を共に円滑に営むことができるよう、外国籍住民の人権を尊重し、多文化共生のための社会基盤整備を一層促進するため、以下の事項について措置するよう強く要望する。
1,国籍や社会的文化的背景が異なることを理由とする人権侵害の防止、及び解決に必要な体制を整備すること。
2,多文化共生社会の形成に関する教育・啓発や、国民と外国籍住民との交流の促進により、国民の関心と理解を深めること。
3,外国籍住民の日本語習得機会の確保とともに、善良な市民生活を送るための社会規範の習得や罰則規定の理解などに対する国のガイドラインを作成すること。
4,国と地方自治体との連携を促進するため、居住する外国人に関する在留資格に準じた就業状況等の情報を共有すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和8年3月23日
衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、内閣官房長官、法務大臣、文部科学大臣、厚生労働大臣、外国人との秩序ある共生社会推進担当大臣
近年、再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、全国各地で太陽光発電設備が急速に普及している。特に固定価格買取制度(FIT)の導入以降、多くの設備が設置され、地域の脱炭素化やエネルギーの地産地消に寄与してきた。
しかしながら、制度開始から13年が経過する中で、設置当初の太陽光パネルが寿命を迎え、大量のリユース・リサイクル・廃棄の問題が顕在化しつつある。不法投棄や不適切な処理への懸念も生じており、環境負荷の低減と資源循環の確保が急務である。
再生可能エネルギーの推進と循環型社会の実現は、持続可能な地域づくりの両輪であり、太陽光発電設備のライフサイクル全体を見据えた支援が不可欠である。
よって、国においては、下記の措置を講ずるよう強く要望する。
1,廃棄される太陽光パネルから有用な資源(シリコン、銀、ガラス等)を回収・再利用するため、国として研究開発支援及びリサイクル施設の整備促進を図ること。
2,廃棄時における発電事業者や施工業者の責任を明確化し、適切な処理ルートの確保、不法投棄防止策、処理業者の認定制度の充実を進めること。
3,地方自治体が廃棄物処理やリサイクル推進の現場で重要な役割を担うことから、必要な財政的支援、適正処理に関する情報提供、人材育成、技術的助言など、国による包括的な支援体制を強化すること。
令和8年3月23日
衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、内閣官房長官、経済産業大臣、環境大臣
近年、我が国では、地震・台風・豪雨などの自然災害が頻発しており、国民の生命・生活・経済活動に甚大な被害をもたらしている。特に、今後発生が懸念される南海トラフ地震や首都直下地震、さらには富士山噴火等の大規模災害は、我が国全体に極めて深刻な影響を及ぼすことが想定されている。
このような状況を踏まえ、政府は「防災庁」の設置を決定し、災害に強い国づくりを目指して体制整備を進めているが、実際の災害対応においては、地方自治体・地域住民・民間団体・ボランティア組織などとの連携強化が不可欠である。
よって、国においては、国民の命と暮らしを守るために、災害に強い国づくりの実現に向けて、下記の事項について速やかに対応されるよう強く要望する。
1,国は、制度変更や防災施策の実施に伴う影響について、地方自治体への十分な説明を行い、必要な人的・財政的支援を講じるとともに、平時から発災時までの全国的な災害対応体制の整備・強化を図ること。
2,防災庁は、指揮命令系統を整理し、国・地方自治体・支援団体間の調整を円滑に行うことで、災害対応の一元化・迅速化を図ること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和8年3月23日
衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、内閣官房長官、財務大臣、内閣府特命担当大臣(防災)
平成29年度に創設された公共施設等適正管理推進事業債は、各地方公共団体が策定する公共施設等総合管理計画及び個別施設計画に基づく公共施設等の適正管理の取組を支える地方財政措置である。
本事業債は、公共施設の長寿命化、集約化・複合化、転用等の事業に活用でき、また一部は普通交付税措置として算定されることから、公共施設等の見直しを推進する上で極めて有効な地方債である。
とりわけ、平成の市町村合併により広域な市域と多様な公共施設ストックを有する本市においては、合併以前に整備された施設を含め、老朽化が進行する公共施設の適正管理を進める上で、本事業債の果たす役割は極めて大きい。
しかしながら、本事業債は令和8年度までの時限措置とされており、今後、地方自治体が計画的な公共施設マネジメントを継続する上で、引き続き安定的かつ十分な財源の確保が不可欠な状況となっている。
よって、国においては、公共施設等適正管理推進事業債の措置期限を延長するとともに、本市をはじめとする地方公共団体の実情を踏まえ、公共施設等の適正管理の推進に向け、特段の財政措置を講ずるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和8年3月23日
衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、内閣官房長官、総務大臣、財務大臣
我が国の農業は、担い手の高齢化、後継者不足、耕作放棄地の増加など深刻な課題に直面している。こうした中、地域農業を維持・発展させていくためには、年齢にかかわらず、意欲と能力を有する者が安心して営農に取り組める環境を整備することが不可欠である。
認定農業者や認定新規就農者には関連する各種補助制度や支援策があるが、認定農業者制度は、明確な年齢制限は設けられていないものの、認定新規就農者制度については、年齢制限として主に45歳未満を対象としている。
そのため、定年後の60歳を超えてからの新規就農や再就農、あるいは事業承継の担い手として営農を開始しようとする高齢者の意欲を制度上十分に評価できていない現状は、農業従事への意欲を削ぐのみならず、親から子への円滑な事業承継や後継者育成を阻害する要因ともなっている。
また、本市をはじめとする地方都市や中山間地域においては、親世代が一定期間主導して営農を継続しながら、次世代へ段階的に経営を引き継ぐ形態が一般的であり、こうした実態を踏まえた柔軟な制度設計が求められている。
よって、国においては、地域農業の持続的発展を図る観点から、下記の措置を行うよう強く要望する。
1,認定新規就農者制度において、年齢による一律の要件設定を見直し、営農意欲や経営計画の妥当性、地域農業への貢献度等を重視した評価体系とすること。
2,親世代から次世代への円滑な農業経営の承継を促進するため、承継準備期間や段階的な経営移行を評価・支援する新たな仕組みを構築すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和8年3月23日
衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、内閣官房長官、農林水産大臣
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください